2016/03/15

第14回 オペラ歌手 ハンコ作家・ひょうたんランプ作家 山口YOKOさん

         

今回は、ハンコ作家であり、ひょうたんランプ作家として活動中の山口YOKOさんにお話をお伺いしました。アマナマナのシンギングボールを作品と一緒に個展を形作るものとして、お客さまに奏でてもらっているという山口さま。今回は東京・溝の口で開催された「 ひょうたんランプの宇宙sora 」展で、ひょうたんランプの『灯り』と『倍音』が紡ぐ素敵な世界を教えていただきました。

ハンコ作家・ひょうたんランプ作家 山口YOKOさん

神奈川県横浜市出身。ご友人への贈り物のためにハンコを彫ることがきっかけとなり、ハンコ制作の【YOKO堂】を始める。現在はひょうたんランプ作家として唯一無二の繊細な作品を創作。ひょうたんランプの灯りと、それらを包む空間そのものを一つの展示作品として、各地で個展を開催。書で綴られるさまざまなメッセージも素晴らしい独創的な書家でもある。

シンギングボールで心が溶けて、打ち解けられる

・アマナマナはどのようにお知りになられたのですか?

民族楽器奏者の奈良裕之(ならゆうじ)さんのことを知り、そこから「シンギングボール」という言葉を耳にして、気になって検索したのがきっかけでした。
いろいろとインターネット上で音を聞いたり、動画を見たりして、主人に「シンギングボールってとにかく素晴らしいの」と話していたんです。すると主人が広尾にある、アマナマナさんのギャラリー「アマナマナ シンギングボウル・サロン」にお伺いして、シンギングボールを選ばせていただきました。いくつもシンギングボールを出していただき、好きな音を丁寧に選んで、主人がシンギングボール第1号を買ってきてくれたんです。

最初のシンギングボールは中サイズのものだったんですね。「もう一回り大きいサイズだと、頭にかぶることができるそうよ」と主人に伝えましたら、もうひとつ大きい大サイズを買ってきてくれました。ほとんど奏でているのは私なんですけど(笑)。主人もシンギングボールを奏でて、自分の身体の波動を整えていますよ。

・シンギングボールのどういったところに魅力を感じていただいたのでしょうか?

インタビュー

まず倍音が心地よい、ということですね。Youtubeの動画で聴いた音も素晴らしかったですし、自分の中で求めていた音だな、と感じたんです。私は、自分自身を調整するツールとして、耳から入ってくる「音」で整えることが好きなので、シンギングボールの倍音にとても心惹かれました。シンギングボールは耳からだけではなく、身体全部を通して倍音が入ってくる感覚があります。身体のエネルギーセンターといわれるチャクラにとても響く感覚がありますし、シンギングボールはとても自分にフィットしていると感じたんです。

・シンギングボールを奏でていただいていかがでしたか?

素晴らしいですね。大サイズは、頭にかぶったり、身体の上で奏でたりして楽しんでいます。中サイズの音は心地よく自分に合う感じがして、すごく好きですね。こういった個展に、作品と一緒に置いていますと、見に来てくれた人たちがどんどん心を開いてくださるきっかけを与えてくれるので、とても役立っています。お客さま誰もが抱えていらっしゃる日々のストレスや、心がキュっと固くなった部分に響くようで、心が溶けていくように自然と打ち解けてくださるんです。会話でも心の垣根は溶けていきますけど、倍音の響きで身体の奥がほぐれると、訪れる皆さまの心の解放度が全然違うように感じます。

・YOKOさんは、ご自宅でどのようなときに奏でていらっしゃるんでしょう?

家にいるときは、もう本当にぐるぐる回しています。夜はベットの上で奏でたり。
主に創作の場のアトリエとお手洗いをつなぐ廊下に、シンギングボールを置いているので、その前を通るたびに鳴らしたり、触ったりしてしまいます。リビングに持って行って奏でたり。けっこう触っていますね。

インタビュー

けれど、本当に活躍するのは、こういった個展をしているときなんです。

来場者のほとんどの人が、ひょうたんランプの灯りの下で、シンギングボールを奏でていらっしゃいます。みなさん「この楽器はなんというの」「素晴らしいですね、欲しいです」と仰っていらっしゃいます。やっぱり、頭の中ではなくて、身体そのもので皆さん音を感じていらっしゃるようで、「この音はいいなぁ」と味わって。各地で開催している個展にも、必ずシンギングボールは連れて行きますよ。

・いろんな場所での個展に連れていかれているのですね。まるでスタッフのようなアシスタントのようなシンギングボールですね!

スタッフ以上に、もうかなりメインの存在になっていますよ。香りを感じる嗅覚や、音や、身体から感じる何か、空腹感やのどが渇いたりといった感覚・・、できれば五感を全部使ってもらいながら、みんなにゆったりした空間を、日常ではない異空間を提供できるのが楽しいんです。そういった特別な時間や空間にふれることで、私たちの中に眠る魂の記憶のようなものが、目覚める活動につながっていけばいいなと思っています。

・今日もたくさんのお客様がいらっしゃっておられますね。皆さまシンギングボールも
興味を持ってくださっていますね。

インタビュー

ランプの灯りの下で、シンギングボールに興味を持っていらっしゃる方の横に行って、
「こんなふうに奏でるんですよ」とお話すると、お客様たちはずーっと奏でていらっしゃるんです。叩いたり、ぐるぐる回したりして、本当に心地よくてしかたがない、という表情なんです。そうやってお客様が心地よさそうにシンギングボールを鳴らしてくれると嬉しいですね。オペラ歌手の方や、ミュージシャンの方々など、いろんな「音」に関わる方もたくさん集まってくれます。去年はアマナマナさんのお客様がきてくださって、シンギングボールをみんなで奏でるひとときでした。
今回は、また前回とはお客様の雰囲気も変わっていて、自分が出しているバイブレーションが変わってくると、来てくださるお客様も変化しますね。

そういった意味でも、シンギングボールはとてもサポートしてくれるんです。自分が本当に変わっていくと、集まる人も出逢う人も変わっていきますから、それを顕著にこういう会場で感じます。

創作活動は、自分の「魂」の成長の場

・では、今度はYOKOさんのハンコやひょうたんランプの創作活動を始められるきっかけをお聞かせください。昔から「彫る」ということを学ばれていらっしゃったのですか?

まったく彫ることの勉強はしていないんです。小学校のときは彫刻の時間も苦手でしたし。けれどハンコを彫るきっかけになったのは、センスが良く、なにもかもできる友人に何かを贈りたくて、彼女がやっていないものは何かな・・と探していたときに、ハンコを彫る篆刻(てんこく)セットが売っていたんです。これだったらプレゼントにいいかな・・と思い、彼女の為にハンコを彫ったのが始まりです。彫ってプレゼントしたらとても喜ばれ、彼女がギャラリーを経営していたので、ハンコを置かないか、と言われたのがきっかけですね。けれど今は、ひょうたんランプの創作が楽しくて、ハンコを彫るのは少しお休みしています。

・ご友人のために彫ることから始まったんですね!ひょうたんランプはどのような流れで
作品作りを始められたのですか?

ひょうたんは、昔からみるとワクワクしていたんです。ひょうたんを彫ろうと思ったきっかけは、はんこ屋さんを少しお休みしていたときに、たまたま「穴を開けるとランプになるよ」と聞いたことがきっかけでした。

1番初めに、何も深く考えず、ただただ思うように穴を開けていったら、「涅槃像」のシルエットが浮かび上がって。私は涅槃像がものすごく好きなので、「あぁ、これはサポートを受けているな」と感じました。それからいくつか作品を作っていたら、登り龍の姿が現れたりして、「あぁ、私はこっちなんだなぁ」と強く感じたんです。

ひょうたんランプは、自分の内面がもろに出るんですね。精神的なものもそうなんですが、自分を磨けば磨くほど、光の輝きが変わってきます。無に近ければ近いほど、宇宙レベルでエネルギー通すことができるというイメージや認識を自分の中で研ぎ澄まして作っていくと、本当に楽しくてしょうがないんです。今はこのひょうたんランプのほうに取り組んでいます。

・まるでひょうたんランプ自身が、YOKOさまに作品作りを促すために語りかけているようですね。

インタビュー

本当にそうなんです。そして私は、ひょうたんランプを販売する、ということよりも、ひょうたんランプが灯る、それらの「空間」を通して何かを表現したいんでしょうね。

それらの作品作り、空間づくりを通して、自分の魂の成長を、訪れてくださる皆さんとともに共振していきたいと思っているんです。空間そのものがひとつの作品として伝えていけたらと思っていますし、そんな想いで行っている創作活動を主人もサポートしてくれています。主人は舞台美術の照明デザインをしているので、色んな面で、いいハーモニーを奏でているように感じています。主人は携帯にアマナマナさんのオリジナルシールも貼っているんですよ。

・エンドレスノットのシールですね。ご主人さまがアマナマナとYOKOさんを繋いでくださった方ですものね。素敵なご夫婦ですね!そして空間とランプの灯りが本当に美しいです。

作っているうちに、どんどん自分の中で、「自分という概念をなくしていったところで作ると、魂に響く」ということが分かってきたんです。
だからといって、概念をなくす、ということが目標になるのではないんですね。人を感動させるために概念をなくす、ということではなくて。自分自身がどんどん自由になっていくためのものなんです。それは魂の自由ともいえる自由さなのですが、そういうふうになっていくと、結局は作品にも、日常にも響いていき、そして「本当の自分の音」というものを出し始めると、みんながそれに共振するということが分かってきたんですね。
その感覚に触れていくと、ひょうたんランプを彫ることが楽しくてやめられないですね。

どのような形であれ、自己表現はできる

・「本当の音」ですか、美しい言葉ですね。YOKOさんは和歌山で作品を作られておられますが、なぜ和歌山にアトリエを?

中一の息子がいるのですが、小学3年のときに、とても面白い学校が和歌山にありまして。それに行きたくて、家族みんなで相談して、彼をサポートするためにどうしたらいいかということで、主人は東京に残って仕事をし、私たちは和歌山に行って学校に通うという生活が始まったんです。

私たちにとっても、ずっと都会暮らしでしたので、ちょっとおもしろいじゃないの、ということになったんです。なので、和歌山と東京、2つの拠点で生活しているんですね。

・和歌山の空気の中でひょうたんを彫られていらっしゃるんですね。このひょうたん達はどこから来て、どのような過程で彫られていくのでしょう。

インタビュー

これは、愛知県の、ひょうたん愛好会のおじいちゃんたちから譲ってもらっているんです。
生のひょうたんが、彫れるような状態になるまで、約1年ほどかかるんです。その工程を愛好会の方が行っていらっしゃるんですね。ご自分たちの作ったひょうたんで品評会をするのがお好きで、綺麗な乾燥した状態でどんな形ができたか・・というところまで作業してくださるんです。その綺麗に乾燥された状態のひょうたんで、余ったものだったり、私が形の気に行ったものをセレクトして、お嫁入りみたいに譲っていただいているんです。

生のひょうたんを美しく乾燥させてもらって、たくさんの数のひょうたんの中から、自分の波動に合いそうなものを選ばせていただいて持って帰るんです。そこから家に帰って、ローズマリーを浮かべたお風呂に入れて、乾かして。家の廊下には、いっぱいこの子たちがズラーっと並んで飾ってあるんです。毎日どれにするかを選びながら彫るんです。本当に楽しいんですよ!

・ひとつの作品を完成させるのにどれくらいの日数がかかるのですか?

実は、彫るまでが長いんです。彫るまでに、心を落ち着けてまったりしたり、自分のバイブレーションを整えるために心地よいことをしたり。そうして、自分の状態が整えば、もう寝ないでば―っとそのエネルギーを注いで1日2日で終わるんです。
「来た!」と思ったら、すぐに作品作りにとりかかります。なんでもそうですよね、好きなことに取り組むときというのは。

最初は彫刻等を使って彫っていたんですが、この彫り方や道具に落ち着くまで、いろいろと独学で試しました。ホームセンター行って色んな道具を選びました。それらに費やす時間も楽しいですね。

・ランプだけではなく、ランプを包む空間が、YOKOさんの作品なんですね。

そうですね、空間というものの中にある、見えない何かですよね。みんな、見えるものしか信じなかった時代が、見えないものに焦点が合ってきているじゃないですか。だんだんそれを受ける力も開いてきたように感じますし、そんな時代に私もたぶんそういうことを感じているんだと思います。

受け手が開いてきた分、感じあえる人が増えてきて、すごく楽しいんです。

・素敵な空間を形作られていらっしゃりますが、今後はどのような夢がおありでしょうか?

パリでひょうたんランプの展覧会をやりたいと思っているんです。まだ漠然としているのですが異文化の場所で、このひょうたんランプの灯りや、それらを包む空間そのものを届けてみたいなと思っているんです。けれど、表現がひょうたんランプの作品であっても、それらは「ツール」なので。自己表現は、何でも、どのような形でも出来ると思っていますので、今後は違う表現や作品作りに変化していく可能性もありますが、まずは一度、そういう異文化の場所で、こういったランプと空間の紡ぎ出す世界を届けてみたいな、と思っています。

◆インタビューを終えて

小さなひょうたんが出迎えてくれる庭先を通り、古民家の扉を開けると、「Oneness」(統合された調和)と書かれた大きな書が飾られていました。暗く閉ざされたお部屋の中は、ひょうたんランプの灯りに包まれ、お客様が奏でるシンギングボールの音色がとても心地よく響き、まるで母の胎内を思わせる素晴らしい空間でした。小さなひょうたんから大きな空間を生み出すYokoさん。自分の持つ良い響きを、多くの人と共振していきたい、というお話がとても印象的でした。素敵なお話を本当にありがとうございました。

By アマナマナ・スタッフ

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