シンギングボウルに足を入れて鳴らしてもいいですか?

最近、海外のヒーリングサロンや動画などで、大きなシンギングボウルの中に足を入れて鳴らす方法を見かけたことがあるかもしれません。

アマナマナにも「同じようにやっても大丈夫ですか?」というご質問をいただくことがありますが、アマナマナでは、現在こうした使い方は推奨していません。ここでは、その理由を3つの点からご説明します。

1.頭に比べるとリスクは低いものの、身体への影響がないとは言えないため

足を入れる場合は、頭にかぶせるほどの危険性は少ないと考えられます。しかし、強い振動が骨や神経、血管などに伝わることで不快感や違和感を覚える方もいます。特に高齢の方や、血圧・循環器・神経系に不安のある方は注意が必要です。

また、立ったままボウルに足を入れる姿勢は、体勢を崩して転倒する危険も伴います。シンギングボウルの音や響きは、本来、身体に直接触れなくても十分に感じられるものです。安全に楽しむためにも、体に直接当てることは避け、少し距離を取って音の広がりを味わうことをおすすめしています。

2.シンギングボウルを単なる「モノ」として扱うかどうか

海外では、シンギングボウルをエンターテインメントや演出の小道具として使用しているケースがあります。シンギングボウルを足を洗う桶などと同じように考えれば、足を入れても特に抵抗感はないかもしれません。

しかし、日本の伝統では、物にも魂が宿るという考え方があり、特に神聖なものや大切なものは足蹴にしてはいけないとされています。アマナマナでは、シンギングボウルを単なる雑貨や楽器としてではなく、「自分と向き合い、整えるためのツール」として敬意を払い、大切に扱っていただくようお願いしています。そのため、足を入れて鳴らすという行為には、心理的な抵抗を感じる方も多いことでしょう。

3.宗教的・文化的なモチーフへの配慮

足を入れて鳴らしているシンギングボウルの中には、底面に足のマーク(仏足)が描かれたものもあります。仏教圏以外の人にとっては、単なる模様に見えるかもしれませんが、実はこの模様は、仏足と呼ばれ、仏陀の存在や教えを象徴する神聖なモチーフです。

キリスト教でいえば、十字架に相当する神聖なシンボルと考えていただいてもよいでしょう。そのため、仏教徒の方が見た場合、仏足が描かれたシンギングボウルに足を重ねたり入れたりすることは、不敬な行為と捉えられる可能性があります。

シンギングボウル自体は仏具・法具そのものではありませんが、世界には多様な宗教観や価値観を持つ方がいるため、文化的背景に配慮しておくことも大切です。

おわりに

シンギングボウルは、本来「響きによって空間と心を整える」ためのものです。直接足を入れたり、体に強い刺激を与えなくても、その倍音はやさしく体の芯までじわりと届きます。

シンギングボウルの使い方を学ぶことで、より深い響きを、やさしく広げることができます。

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