シンギングボウルを体の上に載せて鳴らしてもいいですか?

最近、海外の動画やヒーリングサロンなどで、シンギングボウルをお腹や背中の上に載せて鳴らす方法を見かけることがあるかもしれません。
アマナマナにも「同じようにやってもいいですか?」というご質問をいただくことがありますが、アマナマナでは、現在こうした使い方は推奨していません。ここでは、その理由を4つの点からご説明します。
1.強い振動が体の内部に伝わるリスク
シンギングボウルは、金属の振動によって音や響きを生み出す道具です。実際には、体の上に直接置かなくても、空気や空間を通して響きは十分に伝わります。
しかし、より強い刺激を感じるために、体の上に直接置いて使うと、想像以上の振動が体の内部に伝わる場合があります。お腹に置いた場合は内臓に、胸や背中に載せた場合は心臓や呼吸に影響が及ぶことがあり、特に妊娠中の方、ペースメーカーなどの医療機器を装着している方、循環器系や神経系に不安のある方などは注意が必要です。健康な方であっても、刺激に慣れてしまい、強さをエスカレートさせてしまう可能性があります。
しかし、シンギングボウルの響きは、実際には体に触れなくても十分に届きます。無理に直接的な刺激を与えなくても、響きの心地よさを感じ取っていただくことはできるのです。
2.叩いたときの瞬間的な圧迫によるリスク
体にボウルを載せたまま叩くと、瞬間的に強い圧力が加わり、局所的な圧迫が生じます。リラックスしているときほど筋肉が緩んでおり、 衝撃を吸収する反応が遅れるため、小さな打撃でも負担になりやすい傾向があります。
特にお腹や胸の上は柔らかく、内部に重要な臓器が集まっています。こうした部位に圧力を加えることで、思わぬ不快感や痛みを感じる場合もあります。
3.安定性を欠いた際の落下によるケガのリスク

お腹や胸の上は平らではないため、シンギングボウルを載せるとバランスが不安定になりがちです。そのため、響きによる振動や手の動きでずれてしまい、思わぬ拍子に滑って落ちてしまうことがあります。
金属製のシンギングボウルは一定の重さがあるため、落下した際に体を打ったり、けがをするおそれもあります。特にうつ伏せの姿勢では視界が届かず、危険に気づきにくい可能性があります。
4.海外と日本との違い
海外で見かけるこうした方法は、多くが欧米人の体格(骨格・筋量・皮下脂肪など)を前提として考案されたものです。そのため、お腹や胸などの柔らかい部分への刺激が、日本人、特に女性や高齢の方にとってはより強く感じられる可能性があります。
また、主に欧米では「自己責任」で行う文化が根づいており、 万一トラブルが起きても個人で対応するケースが基本です。事故が起きた場合も、裁判などで法的に対応する習慣も根付いています。
一方、日本ではこうしたケースへの事例が少なく、事前の対策や、いざという場合の手続きなどがあいまいな場合も多いのが実情です。
特にセラピーや施術というような表現をしていた場合、医療行為や施術行為と誤解され、解決までに思わぬ時間、エネルギー、費用などがかさむ可能性もあります。
海外で紹介されている方法をそのまま取り入れるのではなく、日本人の体格や文化、ルールなどを考慮した使い方を心がけるといいでしょう。
おわりに
シンギングボウルの魅力は、体に載せなくても深い響きによる体感を十分に味わっていただけます。日本にあった適切な方法を学ぶことで、その音と響きの世界を味わってみてください。








































