チャクラに対応したシンギングボウルのセットはありますか？

チャクラに対応したセット商品について、多くのお問い合わせをいただいておりますが、現在アマナマナでは、あえてご用意しておりません。

その理由には、私たちがシンギングボウル専門店として、とても大切にしている考え方があります。その理由と背景について、詳しくご説明いたします。

1.チャクラの定義には多様な流派があります

チャクラとは

セブンチャクラを表す図

チャクラとは、身体に存在するとされるエネルギーポイントで、サンスクリット語で「車輪」や「回転」を意味します。

エネルギーが出入りし、循環する中心とされ、心身のバランスを保つ重要なポイントと考えられています。

現在広く知られている「7チャクラ」の考え方は、19世紀にイギリスの東洋学者ジョン・ウッドロフや、近代神智学徒チャールズ・ウェブスター・レッドビータによって西洋に紹介されました。

さらに、20世紀後半のニューエイジ思想を通じて、西欧の現代的な解釈が広まっています。

一方、チベットにおけるチャクラは、チベット密教では5つ、一部の仏教体系では4つとされるなど、チャクラの数や体系には流派・伝統による違いがあり、統一された基準を設けることは困難です。

※参考：Wikipedia
※チベッタン・ヒーリング: 古代ボン教・五大元素の教え　テンジン・ワンギェルリンポチェ (著)

2. 音づくりのアプローチと音質の違い

クリスタルチューナー

市場に流通する「チャクラ対応ボウル」や音叉（クリスタルチューナー）は、20世紀以降の西洋におけるチャクラ解釈やニューエイジ思想を参考にしながら、音とエネルギーポイントを関連づける発想から生まれた商品です。

これらは、一定の周波数や音階に基づき、基本的には誰が扱っても同じような音が生まれるように、均質性や再現性を重視して設計・製造されています。背景には、一つの普遍的な基準を求める西洋的な価値観があり、音やエネルギーを、その人それぞれの個性ではなく、西洋的な価値観に基づいた「あるべき姿」に合わせようとする考え方が見られます。でも、癒しを求める際に、本当に人の個性や違いを無視してよいのでしょうか。

たとえば、396Hz、417Hz、528Hz、639Hz、741Hz、852Hzといったソルフェジオ周波数や、A、B、C、D、E、F、Gなどの音階に特定の意味や効果を関連づけ、それを再現するために調律されたシンギングボウルが作られることがあります。

チャクラ対応のシンギングボウルの特徴

７チャクラに対応するとされるシンギングボウルセットの例

チャクラ対応のシンギングボウルも、同じ形・音を作るため、鋳造（溶かした金属を型に流し込んで固める大量生産が可能な）製法で作られることが一般的です。

スピーディに均質な製品を作ることができますが、音叉は単一の周波数のみ、鋳造のチャクラボウルも比較的クリアで均質な倍音を持つ設計になっています。

一方、アマナマナのシンギングボウルは、東洋や日本に受け継がれる自然観や価値観を大切にし、人それぞれがもつ個性やゆらぎ、うつろいを尊重する考え方から生まれています。

そのような点による癒しに重点を置いたため、職人が一つひとつ手作業で鍛え上げる鍛造製法により、一つひとつ異なる、非常に深く長い音・響きを持つシンギングボウルを扱っています。

自然界に多く存在する「非整数次倍音」など、多様で豊かな響きも内包しているため、その音には、数値だけでは表しきれない奥深さがあります。

また、奏でる人やその瞬間によって響きが微妙に変化し、時とともに自然にゆらぎ続けるため、固定的な周波数や音階では捉えきれない、自由で生きた響きを奏でます。

もちろん、鍛造シンギングボウルを研磨することで、特定の周波数に調律し、西洋音階に近づけることも技術的には可能です。

しかし、その過程で倍音の深さや響きの豊かさが損なわれてしまうため、アマナマナではこの方法は採用しておりません。

均一に調律された音、さらにチャクラ音階と一般的に定められている7つの音よりも、より個性のある響きやゆらぎを活かしながら、心身を整え、癒しを深めていけるのでは、という考えから、癒しのサポートツールとしてご提案しているのがアマナマナのシンギングボウルです。また、それゆえ、チャクラセットはご用意していないのです。